2-01 Biquad(縦続接続)のEXCELシートの説明
Biquad(2次IIRフィルタ)を縦続接続すると特性が急峻になります。このExcelをダウンロードして開いてみましょう。最初のREADMEシート(図2-01)のように最大4個の縦続接続が可能です。またBiquadの係数は同図のように各Biquad 5個(a0, a1,
a2, b1, b2)づつになります(*1)
(*1)フィードバック側の係数(b1, b2)は反転して足し込みます。 |

図2-01 最初のシートREADME
●隣のシートにIIRフィルタの係数がある
f-responseシートを見ると図2-02(a)のようにD列にBiquad(1個目)の係数があります。上からa0,
a1, a2, b1, b2になります。
またBiquad(2個目)はK列、3個目はR列、4個目はY列に係数があります(同図b〜d)。これら4つのBiquadを縦続接続した際の周波数特性をこのシートで計算します。 |
図2-02(a)
図2-02(b)
図2-02(c)
図2-02(d)
●デフォルトは6次のHPF
同シートの右の方に周波数特性が描かれていますが、図2-03のように6次のIIR型HPFになっています(*2)
2次のIIRフィルタ(これ)と比べると傾きが3倍急峻になっていることが分かります(*3)。
(*2)4個目のBiquadの係数(図2-02(d)のY列)はスルーフィルタになっているので、実質的にBiquadの3段縦続接続、すなわち6次になる。
(*3)どちらもカットオフ1000HzのHPF。2次の方は100Hzで-30dB台の減衰、6次の方は100Hzで-100dB以上減衰している。 |

図2-03 縦続接続で急峻な特性になる
●各Biquadの特性を見てみる
各Biquadの計算列の下方にそのBiquad単体の周波数特性があります(図2-04)。これら4つの特性を足したものが右端のtotal
Gain, total Thetaのグラフになります(4つ目のBiquadはスルーフィルタ)。 |

図2-04 EXCELの倍率を低くして全体を見る
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