5-04 相互相関を画像に適用する(続き)

●縦方向の変化を見つけるテンプレート

 今度は
テンプレートを変えてみましょう。隣のシートは「負↓正」になっており、上半分が-1、下半分が+1になっています(図5‐66)。

  図5-66 シートが変わるとテンプレートが変わる

●上から下に明るくなる→極大値になる

 上から3つ目に「白↓黒」の対象画像があり(図5‐67)、これとの相互相関値が極小になります。4つ目は「黒↓白」、これが一番テンプレートと
似ているということで、相互相関値が極大になります。

  図5-67 21行目以下の対象画像を見る

●そこそこ相関のある画像

 61行目以下は斜めのグラデーション画像で(図5‐68)、これらは多少の相関(逆相関)が見られます。何となく
上から下に明るくなる画像は相互相関値が高くなります。

  図5-68 61行目以下の対象画像を見る

●少し複雑なテンプレートだと…

 最後のシート"
HATENA"のテンプレートは図5‐69のように"?
"というキャラクターを形どっています(*1)。

(*1)値は+5, +4, -1からなる。平均値が0になるようにしている(64個加算すると0になる)

  図5-69 HATENAシートを見る

●"?"のテンプレートは"?"の対象画像に反応する

 82行目以下の対象画像をみると、ぼんやりと"?"が見うけられ、これとテンプレートとの積和をとると、値が
極大になると想像されます。図5‐70を見ると、1525と飛び抜けて大きくなっています。

  図5-70 黒地に白で書かれた"?"という文字

画像認識などに使えそうな相互相関

 
このように相互相関を二次元に拡張することにより、「似た画像」を探し出すことができます。パターンマッチングや画像位置推定などに応用できそうです。

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